講師の始め方|後輩への「ここを直す」を最初の講座にする
2026/10/12

「ここ、もう少し詳しく書いておいて」
後輩の引き継ぎメモに、そう言いたくなったとき。
何が足りないと感じたのでしょうか。
次に連絡する相手なのか。返事を待っていることなのか。約束した日付なのか。
その違いを説明できるなら、講座の題材はもう手元にあります。講師を始めたいけれど何を教えるか決まらないときは、普段、人の仕事を見て直している一か所から考えてみてください。
今回は、引き継ぎメモの添削を例に、経験を最初の教材へ変える方法を紹介します。
「自分には教えることがない」の手前にあるもの
立派な経歴を並べたり、専門分野のすべてを説明したりしようとすると、講座づくりは大きな仕事になります。
そこで、最近よく聞かれたことを一つだけ思い出します。
報告を受けたとき、最初に確かめること
資料を見て、いつも書き足してもらうこと
後輩が迷ったとき、二つの選択肢をどう比べるか
答えをすぐに出せる人ほど、その前に何を見たかを省いてしまうことがあります。教材に残したいのは、その順番です。
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引き継ぎメモを一枚、直してみる
例えば、練習用に次のメモを用意します。
A社との打ち合わせは終了しました。次回までに資料を準備してください。
何となく状況は分かります。でも、このメモだけ渡された人は、何から始めればよいでしょうか。
「もう少し詳しく」だけでは、書く側も迷います。次の三つを聞いてみます。
打ち合わせで、何が決まりましたか。
まだ決まっていないことは、何ですか。
次は誰が、いつまでに、何をしますか。
同じ練習用の設定で、こう直せます。
決まったこと:次回は、既存の案内資料と新しい案を並べて確認する。
未確定のこと:新しい案に載せる写真。先方の確認待ち。
次の作業:佐藤さんが木曜15時の打ち合わせまでに比較用の資料を用意する。写真の返答がなければ、佐藤さんが水曜の午前中に先方へ確認する。
文章が長くなったことより、「自分が次にすること」を読み取れるようになった点が大切です。
この直し方を、なぜ選んだのか。そこまで話せれば、単なる完成見本から、考え方を学べる教材へ近づきます。
添削の理由を、三つの場面に分けて教える
この題材なら、最初から「仕事術のすべて」という講座にする必要はありません。
「次の担当者が動ける引き継ぎメモを書く」。まずは、ここまでに絞ります。
1.直す前のメモを見てもらう
すぐに正解を見せず、「このあと何をしますか」と聞きます。答えにくいところがあれば、どの情報が足りないかを一緒に探します。
2.書き足した理由を説明する
決定事項と確認待ちを分けたのは、未確定の話を決まったこととして進めないため。担当と期限を書いたのは、作業を引き受ける人が迷わないため。
一つひとつの修正に、理由を添えます。職場ごとのルールがある部分は、その条件も示します。
3.別のメモで試してもらう
次は、会議の準備や資料確認など、少し違う例を出します。「何が足りないか」「どう書き足すか」を考えてもらえば、見本を覚えただけなのか、自分で使えそうなのかを確かめられます。
うまく答えられなかったところは、教材を直す手がかりになります。
撮影より先に、教材の材料をそろえる
この講座に必要なのは、まず次の四点です。
直す前の練習用メモ
直した後のメモ
修正した理由の短い説明
受講者に解いてもらう別の例と解説
実際の顧客名や社内情報を使わず、練習用に作った例で始められます。他人の資料を使う場合は、利用できる範囲を確かめてください。
用意した説明を声に出してみると、「ここを直せばいい」で飛ばしていた理由に気づくこともあります。
動画の長さは、先に埋めなくて大丈夫です。一つの例を見て、自分で直して、解説と比べられるところまでを、最初のまとまりにします。
FireRocketで、教える内容を届けるところまで
教材を用意した後には、配信、受講状況の確認、質問への対応が続きます。
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最初の一歩は、「どこを直したか」を残すこと
次に誰かの資料を直したとき、一か所だけでよいので、修正前と修正後を残してみてください。
そして、なぜ直したのかを一文で書く。
「この情報がないと、次の担当者が確認し直すことになるから」
その一文から、誰の、どんな困りごとに役立つ講座なのかが見えてきます。
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